含浸処理
含浸処理とは
含浸処理とは、樹脂で鋳巣(ちゅうす)を埋める封孔技術(ふうこうぎじゅつ)です。自動車やトラック、医療機器や農機具等様々な分野で使用されています。
また、不良品の救済(モレが止まると不良品→良品となる)にもこの処理技術は活躍します。
含浸処理でできること
Point 01 鋳造品の不良品を救済
素材や加工後の部品、または部品組立後に圧力を加え検査した際にモレで不良になることがあります。目に見えない鋳巣・どこからモレているかわからない鋳巣を含浸処理により封孔する事で不良品が良品(モレのない製品)に変わります。
Point 02 信頼性、品質保証性の向上
品質はよいのが当たり前と言われる昨今、たとえ1%でもモレが出てしまうと対策を要求されます。
組立する前に含浸処理をする事により以後のトラブルとそれに伴う工数を低減できます。
Point 03 モレ無くすことによりトータルコストの低減
組立した製品がモレにより10%不良品になったらそれを分解する工数、再度組立する工数、分解し使用できなる部品等、多くの余分な費用・工数が発生します。組立する前に含浸処理を施すことによりそれらの工数が削減でき計画的生産が可能となります。
Point 04 塗装後のフクレ、ハクリが防止
塗装後のフクレ、ハクリのトラブルは表面上ある見えない鋳巣が原因で発生する事があります。
事前に含浸処理を施し鋳巣を封孔する事で塗装工程でのフクレ、ハクリの原因となる加熱による空気の膨張を防止できます。
含浸処理の工程
Flow 01
含浸タンクに投入
製品毎に決められた荷姿にカゴ詰めした製品を含浸タンクに処理カゴを入れ含浸タンクに投入します。
真空・含浸液充填・加圧を、管理された工程通りに行います。
グループ会社との研究でわかった、含浸効果の良い条件で管理しています。
Flow 02
回転液切り機で余分に付着した液を除去
含浸工程が終わった製品を回転液切りに投入し遠心分離の要領で余分に付着した含浸液を除去します。
Flow 03
水洗で製品に付着している液を除去
水洗槽に浸漬しながら洗浄する事で製品表面に付着した含浸液を洗い流します。
Flow 04
湯浸に浸漬し含浸液を硬化させる
温度管理された熱湯で含浸液を一次硬化させます。
Flow 05
乾燥炉で加熱させることで水分を蒸発させる
ラインから処理カゴを出し、水分を高熱で蒸発させます。含浸液を最終硬化させます。
Flow 06
検査
製品毎に決められた部位を目視検査し客先への不具合品が流出しない様検査します。